山海に響く古の声 —— 三亜 黎族・苗族文化誌(上)
どの街にも表層の景色があるように、時と大地に眠る魂もある。三亜にとって、その魂は黎族と苗族に宿る。彼らの言葉、道具、トーテム、文様、歌声 —— これらがこの土地に刻まれた、最も古く深い文化の基調を築いている。これらは硬い歴史記録ではなくではなく、聞き、見て、触れ、その温もりさえ感じられる息づく文化の形だ。本稿では、三亜経済圏内で広く知られる場所も、山々に静かに隠れる秘境も訪ね、この土地の魂と真に対話する旅をお届けします。
ビンロウ川郷村文化観光地区 ビンロウ川の魂は、原生の田園風情にある。この地域は比較的完整な田園環境を保ち、地元の生態系、農耕様式が黎族文化の要素と調和して共存している。川岸、田畑、木造の家屋、水脈が自然景観を構成すると同時に、伝統的な田園生活の痕跡をそのままに残している。文化体験エリアでは、黎族の工芸品、衣装、一部の生産・生活用具を見ることができる。その展示は「生きた生活現場」を基盤としており、演出されたものではない。ビンロウ川の価値は「見どころ」にあるのではなく、文化の担い手としての田園の本来の姿を人々に理解させることにある。
鹿回头風景区 三亜の別名「鹿の街」は、ここに伝わる黎族の恋物語に由来する。鹿回头山頂には、「振り返る瞬間」を永遠に刻んだ彫像がそびえ立ち、黎族の若い猟師と鹿に化けた乙女の愛の物語を記録している。山頂の彫像は静かに佇み、街並みと湾岸を見下ろしている。ここから眺める景色は、穏やかに広がる海面と緩やかに延びる市街地が重なり、物語と景観が一体となった静かな語りのようだ。鹿回头は単なる「観光地」ではない。それは、三亜の文化が現代的なロマンだけでなく、より古い民族の記憶に根ざしていることを人々に思い出させる、静かなる提言だ。
三亜千古情景勝地 千古情の魂は、物語的な演目にある。ライト、ステージ、音楽が一体となり、濃縮された文化の叙事空間を構築する。黎族の神話、歴史の断片、島の記憶 —— これらがより直感的な形で観客に届けられる。園内の村塞展示エリアには衣装、道具、文様がそろい、 黎族・苗族文化に初めて接する人にとって、ここは最適な入り口となる。その意義は、文化を「学術の中だけのもの」から「見て、聞いて、記憶に残せるもの」へと変えることにある。
中廖村 中廖村の魂は、詩的なゆったりとした時光にある。村内には地域の特色あふれる伝統的な民家建築が今も残っている。過度な開発を避け、原生の生活の肌理をそのままに保っているのだ。伝統的な黎族建築が静かに佇み、戸外に置かれた石臼、青竹、水田が、山風と炊き煙と共に、自然な田園の絵巻を描き出す。村民たちは依然として自身のペースで生活しており、竹垣のそばで人々の会話が聞こえるほか、陽光の下で老職人がゆっくりと道具を修理する姿も見られる。中廖村に足を踏み入れれば、観光地のような展示ではなく、真の田園生活の延長線—— ゆっくり、静かで、柔らかく、そして深い意味を秘めた世界が広がっていることに気づくだろう。
ビンロンググー黎苗族文化観光区 ビンロウ谷(保亭県に位置)は、「 黎族・苗族風情の聖地」と讃えられる場所だ。ここは自然生態資源の宝庫であると同時に、黎族文化が息づく現場を体験できる場所でもある。伝統衣装に着替えて、苗族の乙女たちと共に軽やかに竹竿舞を踊ったり、黎族の織女に師事して黎錦の織り方を学び、指先で古のトーテムの文様をなぞったりすることができる。耳元には悠遠な山唄が響き、目の前では古法による陶器作りが行われ、土が手の中で回転しながら器に生まれ変わる。歩き疲れたら腰を下ろし、山蘭米焼酎を一杯飲み、簸箕に盛られたご飯を味わおう。食材の香りと大地の息吹きが舌の上でひとつになる。ここでは、文化を「見物する」のではなく、一歩一歩その中に入り込み、参加し、共に呼吸する体験ができるのだ。

探索はまだ終わらない。次回は陵水県、保亭県、五指山へと足を延ばし、山水、人々、儀式と結びついた文化の現場をさらに追い求める。速読→《山海に響く古の声 —— 三亜 黎族・苗族文化誌(下)》