ホームユニークな体験文化&遺産山海に響く古の声 —— 三亜 黎族・苗族文化誌(下)

山海に響く古の声 —— 三亜 黎族・苗族文化誌(下)

前編では三亜と保亭を巡り、都市と田園の中で息づく 黎族・苗族文化の多様な姿に触れた。だが文化の根っこは、観光地やランドマークだけに生えているのではなく、山間部の村々に深く根を下ろし、生活と密接に結びついている。これからは陵水県と五指山へと深入りし、より静かで、黎族文化の本来の姿に近い旅を展開する。

椰子畑古寨 椰子畑古寨(陵水県に位置)の魂は、刻まれた時の痕にある。ここには黎族と苗族の初期生活の鮮明な痕跡が残っている。金字形家屋、船形家屋、高床式家屋 —— それぞれが異なる住まいの知恵と生活様式を物語っている。寨の軒下では今も、黎錦を織る人、頭を垂れて竹細工を作る人の姿が見られる。陶器、銀飾り、刺繍、絞り染め —— これらの工芸は「展示品」ではなく、世代を越えて受け継がれる生活の技なのだ。毎年「三月三祭り」の時期になると、寨から歌声が響き渡り、まるで時光が過去へと戻ったかのようだ。

芬坡村 芬坡村はまるで誰にも邪魔されていない秘境のようだ。山地に位置し、人口も少なく、生活のリズムは外界と数本の山道を隔てている。村民たちは依然として農耕と畜産を生業としている。黒山羊が山腹から村入口まで歩いてくる姿、湿潤な空気の中で静かに育つコーヒーの木、ゴムの木、ビンロウの木 。20 年前、ここは未開発の土地だった。今も昔も変わらない質朴さ、ゆっくりとしたリズム、意図的な装飾のない姿を保っている。芬坡村では、黎族文化は「保存されたもの」ではなく、自然に脈々と継承されているものなのだ。

五指山黎峒文化園 黎峒文化園は、黎族の心のよりどころを理解するための重要な入り口だ。五指山の麓に位置し、山々を背にして開けた眺めが広がる。ここには黎族の祖神パオロンコウが祀られており、寺院の堂内は静かで荘厳、精神的な安らぎを与えてくれる。毎年「三月三祭り」の際には、黎族の人々が四方八方から集まり、祭祀を行い、歌い、記憶を辿り、文化を伝承する。この場所は人々に提言する —— 黎族文化は手芸や建築だけでなく、人々の心に根ざした信仰の座標でもあるのだ。

五指山の声黎族竹木楽器伝承館 この館の魂は、山林の音が集まる場所にある。黎族の伝統楽器は竹、木、皮革を原料として作られ、見た目は簡素だが、その音色は風が谷間を抜けるように澄み切っている。これらの楽器は 2008 年に国家級非物質文化遺産に登録されたが、それは「保護されるために存在する」のではない。山の中では、ずっと楽器が作られ、演奏され、人々に聴かれてきたのだ。伝承館に入れば、奏者の指先から流れるリズムが聞こえ、竹管が息づき、太鼓の皮が震える様子が見られる。美しい音色が空気の中に広がり、言葉を超えて、直接人の心に届く。

海南省民族博物館 これは記憶のために建てられた博物館であり、 黎族・苗族文化の記憶が集う場所だ。館内には 黎族・苗族文化に関する文物が 3 万点以上収蔵されている。衣装、道具、祭祀用品、生産用具 —— すべてが生活から生まれた真実の痕跡だ。ここにはにぎやかな文化体験も、インタラクティブな展示もない。ただ静かに存在し、文化がかつてこう生きていたことを証明しているのだ。

毛納村 毛納村は山と雲の間に隠れている。中廖村のような静けさも、芬坡村のような閉鎖感もない。暮らしの温もりと文化の香りを併せ持つ場所だ。ここでは本物の黎族料理を味わうことができる。山蘭米焼酎、黄唐辛子ご飯、竹筒鶏、クリの実煮黒山羊 —— 食材の味には大地の息吹きと山の風情、そして人の手作りの温もりが込められている。夜が訪れると、村民たちは長机を並べ、かがり火を灯す。これは観光客を誘うための演出ではなく、遠くから来た客人を迎える真心のあいさつだ。ここでは、文化は伝説や資料ではなく、共有され、楽しまれ、生きた形で活用される日常なのだ。

旅はここに終わりを迎えるが、文化の流れは決して止まらない。それは生活の中にあり、大地の上にあり、人々の心の中にある。三亜 —— この美しい海辺の街は、魅了する自然景観だけでなく、 黎族・苗族文化の恵みを受けて、独特の魂を持つ街として輝いている。